東日本大震災では首都圏内陸部でも地盤が液状化する現象が相次いだ。建物が全壊したり、水道が壊れて断水したりといった被害が出ているが、どこも利根川付近で元々沼地や水田を埋め立てた地域だったようだ。
液状化被害のあった千葉県我孫子市では、市のサイト上で地震直後の市内の様子を撮影した動画を公開している。
戦後、沼を埋め立てて住宅地作る
地元の消防署が撮影したもので電信柱が大きく傾き、道路は洪水に見舞われたかのように水浸し。所々に泥が溜まってしまっている。
我孫子市の市民安全課によると、被害があったのは同市東部に位置する布佐と都という地区。今回の地震とそれに伴う液状化で100世帯以上の住宅が全壊したという。
地盤の液状化というと、浦安市のように海に面した埋め立て地で発生するというイメージがある。我孫子市は内陸部だが、市史には、1872年、利根川が決壊してこの地域に沼ができ、戦後1952年に埋め立てられたという記録があったという。市担当者は「地震があった後、お年寄りに話を聞いたら、『昔この当たりは沼だったんだよ』という人もいました」と語る。
利根川が市内に流れる香取市でも同様だ。同市には水田が多いが、液状化で水田の底から砂が噴き出し、用水管も壊れた。市によると、2500ヘクタールが被害を受け、損失額は28億円。ここも元々沼地だった地域が多いという。4日現在で885世帯が断水している。