福島第1原子力発電所事故を抱える東京電力の関係者に対する嫌がらせが相次いでいる中で、米CNNが東電の寮を取材した時の様子が波紋を広げている。CNNの記者が寮の関係者にマイクを突き出したところ、「やめてくれって言ってんだよ。だめ!」と、厳しい調子で反発。警察官が出動するという事態に発展した。
CNNのリポートは「大衆の東電への怒りが高まっている」とのタイトルで2011年4月2日に放送されたもの。相次ぐ東電に対する嫌がらせの結果、東電の寮の表札がガムテープで目隠しされたり、「東京電力」の文字が消されたりしたことを紹介している。
「だから、やめてくれって言ってんだよ」
約2分半にわたるレポートの冒頭、CNNの記者が寮の関係者とみられる白のトレーナー姿の男性にマイクを向けているのだが、この男性が非常に強い調子で反発。
「やめてくんない?」
という男性に対して、記者が
「アメリカのテレビです」
と、さらに食い下がろうとすると、男性が、
「だから、やめてくれって言ってんだよ。だめ!わかる?言葉?わかんねえ?」
と怒鳴り、手で大きくバッテンの仕草をしている様子が映し出された。
その後、東電側は警察に通報した模様で、CNNによると「すぐに6人の警察官が到着した」という。リポートには別の東電関係者が登場し、
「みなさん、この辺はナーバスになっている」
と釈明。
「従業員の安全を心配しているんですか?」
という記者の問いに対しては、男性は
「ネットの中で色々な言葉で攻撃されている」
などと説明した。