原発汚染水の流出食い止められるか 切り札「高分子ポリマー」とは

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   福島第1原子力発電所の2号機の取水口付近にある作業用の穴(ピット)に高濃度の汚染水が溜まり、海に漏れている問題で、亀裂をふさぐため、水を吸収する「高分子ポリマー」という化学物質が使われることになった。紙おむつなどに使われるものと同じ化学物質で、2011年4月3日に作業を行った。

   4月2日、ピットの水の表面から毎時1000ミリシーベルトを超える高い放射線量が測定された。東京電力は亀裂をコンクリートで埋めようとしたが、水の量が多くコンクリートが固まらず失敗した。このため、ピットの上流側に穴を掘り、タービン建屋とピットを繋ぐ配管内部にちぎった新聞紙を入れた袋や、おがくず、高分子ポリマーを流し込んだ。流出量の減少は確認されていないが、4日朝まで状況を注視したいとしている。

紙おむつやナプキン、土嚢にも使われる

   高分子ポリマーは水を吸収すると数十倍に膨張し、吸収した水分を固める作用がある。紙おむつや生理用ナプキンなどに使われており、原子力安全・保安院も3日の会見で、今回使われる高分子ポリマーが紙おむつに使われているものと同じだと明らかにした。水を吸収後50倍に膨らむという。

   一見するとかなり突飛な方法だが、高分子ポリマーはその性質から、持ち運びに便利な緊急時の土嚢としても使われてきた。

   保安院は今回の作業で水を止めた後、コンクリートで固める方針だ。この結果、他の場所から汚染水が漏れた場合は、施設内のタンクなどに溜めるとしている。

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