大阪のオフィス物件に注目 企業からの問い合わせが増加

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   大震災の影響で、外資系企業が一時的に本社機能を関西に移す動きが出ている。その傾向は日本企業でも加速しているのか。オフィス賃貸仲介業者に聞くと、どこも物件の問い合わせは増えていることは認める。ただ、実際に契約というところまではいっていないようだ。

   イケア、H&M、フィリップモリスなど外資系企業が東京にあった本社機能の一部を関西に移すことが報じられ、経済同友会が2011年3月29日の記者会見で、「名古屋や関西などに本社機能を分散することを考えなければならない」と述べたのが話題になった。首都圏で夏場、大幅に電力が不足することも懸念される中で、関西とりわけ大阪への関心は高いと考えられる。

3月の連休明けから問い合わせ増加

   大阪でオフィス物件を探すような動きは出始めている。オフィス移転支援サービスを手がけ、検索サイト「オフィスナビ」を運営するグローバルトラスト社の金本修幸代表は「連休(3月19日~21日)明けからでしょうか、大阪のオフィスビル物件への問い合わせは増えています」と話す。

   電話での問い合わせを含め数件だが必ずあり、ビルオーナーに直接連絡がいく例もある。交通アクセスのよい梅田(大阪)駅や新大阪駅付近の関心が高いものの、現段階では、短期で借りられるかを含めて調査する企業がほとんどだという。IT業界からの問い合わせが比較的多く、計画停電でサーバーやPCが一時的にもダウンすることを恐れているのかもしれない。

ゴールデンウィーク明けごろから動き?

   金本代表は「夏場の電力の見通しが現段階ではいまひとつはっきりしていません。ひょっとしたら夏に停電するような事態を嫌って、ゴールデンウィーク明けごろから、(本社機能を関西に移すような)動きが出てくるかもしれません」と話している。

   大阪にある複数のオフィスの仲介会社に聞いたところ、「問い合わせや相談はきている」と口をそろえた。ただ、実際に本社機能を移したのは一時の外資系企業がほとんどで、現在は「移転話」自体がやや落ち着いているということだ。ある不動産業界の関係者は「今、大阪のオフィス物件が注目されているとしたら、東京にしか拠点のない企業が、いざという時に備えバックアップさせるために、一部の機能を関西にもっていこうと考えているのだろう」と指摘した。

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