エンターテイメントの作り手は前に進めない
テレビ局の収入が減ることで起こるのは、番組制作費の削減。
「ただでさえ不況で減らされているのに、さらに20%カットもありうる」
と肥留間さんは予想する。それによって何が起こるかといえば、芸能人のギャラのダンピングと高額ギャラ芸能人の降板。フリーアナウンサーはやめて自社アナウンサーのみの起用。また、災害で自粛ムードが広がっているため、バカ騒ぎをする番組は不謹慎だという視聴者からの批判を避けるために起用しづらくなる。こうしたことから、タレントを抱える芸能事務所の業界は収入半減の危機が迫っている、というのだ。
どうしてこんなことになってしまうかといえば、福島第一原発の問題。大震災が落ち着けば企業のCMや、エンターテインメントの提供も復活すると思われていた。しかし、原発事故は計画停電を伴い、劇場が使えないなど芸能人の活躍の場を奪った。そのうえ、情報が混乱する状況ではCMを出す企業も、エンターテインメントの作り手も前に進めない。最低でも混乱は1年は続くことを覚悟しなければならない、と肥留間さんは警鐘を鳴らしている。