東京都内の公園で花見・宴会の「自粛」が呼びかけられていることをめぐって、蓮舫・節電啓発担当相が「権力による自由な行動や社会活動を制限するのは最低限にとどめるべき」と発言した。自粛ムードに対しては、インターネットでも賛否の声が多数寄せられ関心を集めている。
都が管理している井の頭公園で2011年3月25日、「園内における宴会の実施をご遠慮いただきますようにお願いいたします」という看板が出され、上野公園でも同様の方針がとられている。
「少なくとも夜間、明かりをつけての花見は自粛すべき」
石原慎太郎・東京都知事は3月29日の記者会見で、花見・宴会の規制についてふれ、「少なくとも夜間、明かりをつけての花見などというのは自粛すべき」と発言した。一方の蓮舫大臣は4月1日の会見で、「権力による自由な行動や社会活動を制限するのは最低限にとどめるべき」と指摘。経済活動に与える影響などを懸念している模様だ。
また、猪瀬直樹・都副知事は「花見問題」について、自身のツイッターで3月29日、「過度の自粛は消費を冷やすだけ」だとした上で、「被災者は水も食事にも苦労している。身内を失っている。(中略)その辺の想像力があって、花見をして、酒を飲んで、ということだろうね」とコメントしている。
自粛は適切だが過剰なのは……
インターネット上では、たとえばライブドア「ネットリサーチ」による意識調査をみると、「『花見の自粛』をはじめとした自粛ムードは行きすぎか?」という質問に対し、69%が「行きすぎ」、31%が「妥当」とした。「gooニュース畑」でも「あなたは自粛ムードが過剰になっていると思いますか?」と話題になり、68%が「過剰になっていると思う」、26%が「そうは思わない」、6%が「どちらでもない、その他」となっている(4月2日15時現在)。
こうしたネット上の意見のうち、自粛を「過剰」だとする見方には「(花見など)行事があるかないかで、収入が大きく違うサービス業は死活問題。応援したい気持ちはあれど、自分の暮らしが瀬戸際です」、「花見も中止している企業(私の会社もそうです。)が多いですが、本当にそれで何かが救われるのでしょうか?」、「自粛は適切だと思いますが、過剰になれば良いこととはいえません」などと書き込まれている。
一方、自粛を「妥当だ」とする意見には「あの悲惨さ・あらゆるものを喪失した人を置き去りに少しは浮かれることを自粛してもよい」、「石原さんは花見自体を自粛とは言ってない。花見と称した宴会を自粛と言っただけ」などとあった。