東京電力は2011年4月2日、福島第1原子力発電所2号機の取水口付近から同日午前、放射線量が1時間あたり1000ミリシーベルトを超える汚染水が海に流出していることを確認したと発表した。取水口付近の「ピット」と呼ばれるコンクリート製立て坑の側面に長さ約20センチのひび割れがあり、そこから海に漏れているという。
福島第1原発付近の海では、3月30日に採取された取水口付近の海水から国が定めた濃度限度の4385倍の放射性ヨウ素が検出されるなど、高濃度の海水汚染が何度も確認されている。
「タービン建屋汚染水と関係」の可能性
2号機では、タービン建屋の地下や建屋外の地下トンネル「トレンチ」のたまり水からも毎時1000ミリシーベルト以上の放射性物質が検出されていた。トレンチは海から数十メートルの距離で、トレンチ汚染水の海への流出は確認されておらず、汚染水の海への流出源は不明とされていた。
東電は、今回見つかったピットからの汚染水流出と海で検出された高濃度汚染との関係を調べるとともに、ほかにも亀裂から汚染水が出ている箇所がないか確認している。
また、今回見つかった立て坑のひびをコンクリートで埋め、2日中に流出を止める方針。東電は、ピットが2号機タービン建屋から海側に延びている地下配管トンネルとつながっている可能性があるとしている。