風と風がぶつかり、雨で落ちてきた?
東京都新宿区で放射線量などを測定している都健康安全研究センターに聞くと、この濃度の高さが大気中の放射線量の増加につながった可能性もあるという。その原因については、「花粉と同じように、風と風がぶつかった場所で多くの放射性物質が降下したのではないか」と推測している。観測当時、北東からの風と南からの風が東京でぶつかる瞬間もあったという。
ただ、東京と埼玉、横浜などとの毎時0.02~0.03マイクロシーベルトの差は気にすべき数値なのか。
都健康安全研究センターの担当者は、「細かい数値の差は計測機器の精度が高いから出るもの。機器を置いている環境が影響する可能性もある。0.02マイクロシーベルト程度の差ならば、ほとんど同じレベルで推移していると言ってもよい」という。
胃のX線集団検診1回で浴びる放射線量は600マイクロシーベルト、胸部X線コンピュータ断層撮影検査(CTスキャン)では1回当たり6900マイクロシーベルトとされている。東京は1日17時現在、1時間あたり0.097マイクロシーベルト。中国香港で1日16時現在、0.14マイクロシーベルトを観測している地点もあるなど、世界各地では平常時から放射線量の大きい地域もある。