入社式で震災の犠牲者に黙とうをささげる
入社式を東京から大阪など関西に疎開させる企業も目立った。日本生命保険、伊藤ハム、帝人、デサントなどだ。いずれも関西に本社を構える企業だが、実質的な本社機能を東京に移すなどしており、これまで入社式も東京で行っていた。今回は「首都圏の混乱をさけるため、安全な関西で入社式を開くことにした」という。同じく大阪に本社を置く繊維商社の蝶理も当初は大阪で入社式を開く方針だったが、「首都圏の計画停電が落ち着きつつある」と判断し、東京で開催することにした。
新入社員の門出となる入社式だが、今回は震災の犠牲者に黙とうをささげる企業が多かった。帝人の大八木成男社長は大阪で行った入社式で「国難の時期の入社なので、仲間と復興に力を注ごう」などと新入社員に呼びかけた。企業によっては、入社式後の社員研修も首都圏を避け、引き続き関西で行うところもあるという。