米CNNなどから問い合わせ続々
ユーチューブへの投稿は、南相馬市民で現在は秋田県に避難している建築設計業の中田建一郎さん(38)が、桜井勝延市長に持ちかけて実現した。
英語字幕付きの投稿を勧めた理由について、中田さんは、ボランティアなどに頼らざるをえない不安定な現状が海外に伝わり、政府が動いてくれればなどと考えたと説明する。ボランティアを通じた自らの支援活動で市内に戻ったときに、桜井市長に会って快諾してもらったという。
投稿動画に対し、海外からは早速、反響も届いている。
アメリカのある大学教授は、市に電話連絡し、もっと世界に伝えるべきとしたうえで、「ぜひ物資を送りたい」などと言ってきた。日本の知り合いを通じて手配するのではないかという。また、米CNN、米ウォール・ストリート・ジャーナル紙など外国メディアからの問い合わせも多く、「取材したい」との依頼もあった。
動画コメントにも、英文が多く寄せられている。そこでは、「政府は空から物資を投下すればいいのに」「中国語に翻訳して投稿しましょうか」といった声が出ていた。
窮状の原因について、前出の中田さんは、こう言う。
「屋内退避指示などが住民を翻弄して、2次災害的な状況になっているんですよ。避難指示を出したいなら、出すべきでしょう。そうでなければ、屋内退避を解除して、店舗や物流の再開などを認めなければ、とても生活していけません。解除できないなら、家庭への食料宅配まで国などが面倒をみないといけないと思います」