シンガポールや韓国で早くも影響
海外各国ではどのような影響が出ているだろうか。マレーシア在住の女性によると、3月31日までに同国保健相が日本からの輸入食品について「健康への被害はない」と発表したものの、多くのレストランでは日本産食品の使用を控えていると話す。だが、今のところ大きな混乱は見られないとして、「日本から輸入した食品でも、枝豆のような冷凍食品や即席めん、しょうゆなどは通常どおり販売されています」と明かした。
シンガポール在住の日本人にも聞いた。一部野菜の禁輸措置が始まって間もない週末に日本食を扱うスーパーを訪れたところ、すでに茨城や福島産の野菜を売り場で見かけなかったと話す。豪州やマレーシア産の野菜が豊富にあるため、買い物自体に支障はないというが、「今度は愛媛産も輸入禁止になったと耳にしたので、日本産の野菜がどんどん少なくなるかもしれません」。
韓国でも影響が出始めている。ソウル在住の女性にたずねると「個人的には今のところ問題ありません」とする一方で、「日本から輸入する海産物に大きく頼っているシーフードレストランは、打撃を受けていると聞きました」と話した。福島第1原発の事故処理の遅れと放射性物質の脅威が止まないことが、大きく影を落としている。