「長期間における健康への影響」を心配
IAEAによる「避難基準の2倍」見解について、内閣府の原子力安全委員会は3月31日、IAEAは土壌表面の検査結果から見解を導いた一方、日本では空気中や農作物などの数値をもとに避難指示などを検討しているので、「人体への影響については、(日本当局の方が)より正確な値」と自信を見せた。
しかし、この農家の女性は「農家はね、土をなめるように、はいつくばるようにして働くの。1日に10時間も12時間も外にいるの。作業も10日なんかじゃ終わらない。100日は続くの」と訴えた。土壌表面の検査結果や「長期間における健康への影響」にも高い関心をもっているようだ。農作物の作付けについては、福島県から土壌調査の結果が出るまで待つように言われている。
仮に「作付けして大丈夫」という結果が出たとしても、すでに二重張りのビニールハウスで(村内で)栽培した野菜、山菜も風評被害で買ってもらえない状況になっている。「どの数値以上が本当に危険でどの数値までなら食べても本当に大丈夫なのか、をはっきりさせて欲しいと政府に言いたい」と話した。「マスコミも、『規制値を超えた』とかそのまま書かず、食べても大丈夫なのかどうかをきちんと伝えてほしい」とも注文した。
それでも一方で風評被害はしばらく続くのでは、と心配している。「(飼っている肉)牛は買ってもらえんかも。将来のことを考えても生き地獄ですよ」
飯舘村役場に数回電話すると、菅野典雄村長らはいずれも会議中だった。電話に出た男性は、「IAEA助言」について、「村長はきのう、(原子力)安全委員会の説明を聞いて納得した、とテレビ取材に答えてました。今日もその状況は変わってません」と答えた。