高値で売っていれば23億円の儲け
それにしても、東電株を買った投資家は「してやったり」なのだろう――。2011年3月30日に466円で買った東電株は、31日の高値で524円まで上昇した。仮にこの時点で利益を確定するため全額売却したとしたら、約23億円が儲かるのだ。
震災後のマーケットは値動きが激しい。株式もそうだが、先物や為替にも外資系のヘッジファンドなど、投機筋の短期資金が流れ込んでいる。震災明けの3月14日~18日の東京証券取引所(第1部)の出来高(売買代金)は2兆円を連日のように超えていた。
日経平均株価をみても、一時8000円台に下落したが3月31日には9700円台まで急回復。大量の売りがあった半面、それらを買いに回った投資家が間違いなくいるということだ。 ある証券会社の関係者は「東電株に限らず、相場が投機筋、プロ向けになっている」と話し、個人投資家に警鐘を鳴らす。
一方、国際アナリストの枝川二郎氏は、「国有化のシナリオが消えたわけではないし、東電株はまだ紆余曲折がありそう」という。
東電株の乱高下に乗じて、おそらくは世界中のヘッジファンドが虎視眈々、ひと儲けを狙っているのだろう。