4月1日のエイプリルフールはここ数年、自社のwebサイトで手の込んだ「ネタ」を披露する企業が多かったが、2011年は東北関東大震災の影響などをふまえてか、実施しない企業も出ている。
「例年4月1日に実施しておりましたエイプリルフールイベントを諸般の事情を鑑み、実施しないことに決定いたしました」
ゲーム会社の「アイレム」は実施せず
ゲーム会社の「アイレムソフトウェアエンジニアリング」は2011年3月18日、こう発表した。同社のエイプリルフールイベントは2000年からはじまり、自社サイトでエイプリルフールの「ネタ」を披露する先駆け的な存在だった。たとえば、2010年は開発中止になったという架空の設定でRPG(ロールプレイングゲーム)の1日限定β版を公開したり、2009年はアドベンチャーゲームを公開したりして、ユーザーを楽しませた。それだけにインターネット上では、今年は恒例イベントがないことを残念がる声が相次いだ。
また、2010年はテレビアニメのキャラクターが自社サイトのトップページをジャックした「さくらインターネット」。田中邦裕社長は2011年3月31日、自身のツイッターで、「明日のエイプリルフール企画を行わないこととなりました」と明かしている。ユーザーに楽しんでほしい気持ちもあったが「現状の環境を鑑み判断致しました」として、楽しみにしていた人にお詫びした。同社の広報も取材に対し「準備はしていたのですが」。
「円谷プロ」はやるのか?
ウルトラシリーズを制作する「円谷プロダクション」も毎年、手の込んだ仕掛けを行っている。2010年は「ツイッター」ならぬ「円谷ったー」が開設されキャラクターたちが「つぶやいた」り、人気の怪獣「カネゴン」がブログを更新したりした。現段階ではなんの告知も出ていないが、インターネット上では「円谷エイプリルフールネタを気長に待つ」「やって欲しいです」「やらなくても我慢」「やらなくても仕方ないよなさすがに」などの意見が出ている。
もっとも、エイプリルフールの「ネタ」のあるなしは4月1日になってみなければわからない。ツイッター上では「こんな時期だしエイプリルフールは自重して欲しい」「エイプリルフールネタ自粛する所がほとんどなんだろな」という書き込みから、「こんな時だからこそ今日は楽しんでほしいという思いを込めて例年通りやってほしい」「今年のエイプリルフールは『え!?ウソじゃないの!?』みたいなホントを被災地の方々にプレゼントしてあげたい」という意見まで両論出ている。