「海へ流す」とどうなるか 原発汚染水処理と国際世論

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かつてロシアがバッシング受けた理由

   「緊急性」を重視するならば、3月29日の朝日新聞が懸念した「海へ放出」という選択肢が現実味を帯びてこないだろうか。3月31日には、第1原発排水口から南約330メートルの海水から基準の4800倍を超える放射性ヨウ素131が検出されるなど、すでに海から高い数値が何度も出ている。その度に経済産業省の原子力安全・保安院は「海流で拡散される」「相当薄まる」と「安全性」を強調している。

   一方で同院は3月29日夕、汚染水処理について、「そのまま海に放出することはない」「最悪の場合の想定(海へ流す)も考えていない」と会見で明かした。

   「海へ放出」について、国際世論の動向との関係を指摘するのは、元外交官で作家の佐藤優氏だ。3月29日更新のブログ「佐藤優の眼光紙背」で、1993年にロシアが「国際原子力機関(IAEA)の規則通り」「低濃度の放射性液体物質」を海に投棄した例を挙げ、ロシアが国際的にバッシングを受けたと指摘。その上で、日本政府に対して「ダメージコントロールについて、政治主導できちんと考えておく必要がある」と、仮に汚染水を海へ流すことになった場合の国際世論への対処について注文をつけている。

   2010年3月31日、政府が汚染水を貯蔵し処理する新たな施設を福島第1原発敷地内につくる案について、「方針を固めた」「検討を始めた」などと報じられた。

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