マグロもイワシもサバも売れない 自粛ムードで魚の需要大幅減

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   東北関東大震災の影響で鮮魚の販売が大打撃を受けている。東京・築地市場では、入荷量が大幅に減っている。自粛ムードに加えて原発事故による海の汚染。外食を中心に需要が大きく落ち込み、寿司屋なども悲鳴をあげている。

   築地市場の最新2011年3月の第4週(3月18日~24日)の1日平均の総取扱量は約1600トン。前年同期比23%減となっている。

「何十年もやっていて『こんなの初めて』」

   魚種別に前年と比べると、マグロは入荷量が約半減で価格も2割近くダウン。イワシやサバに至っては入荷量6割から8割近く落ちた。高級魚のキンメダイも入荷量4割減、価格も1割減となっている。

   都の中央卸売市場築地市場水産農産品課の担当者は

「この週は本当にひどかった。築地で何十年もやってる仲卸業者も『こんなの初めて』と話していました」

と惨状を語る。震災後、関東でも居酒屋から客足が遠のいたり、結婚式が延期になったり、といった現象が発生し、魚が売れない。外国人観光客も大きく減っており、ホテルに魚を卸していた卸業者なども非常に困っているという。

   最近の築地市場は本当に活気がないようだ。ブログに「臨時休市にしたほうが節電のためにもいいのではないか、と思えるほど人が少ない」といった内容を書く築地の仲卸業者もいる。

高級寿司店も外国人客減り悲鳴

   自粛ムードが広がり、まずは高級なものを控えるといった傾向が出ているが、その影響を大きく受けているのが寿司屋だ。

   予約が必須と言われる都内の高級寿司店では、震災後、外国人の予約が相次いでキャンセル。国外に脱出してしまったのも響いたようだ。

「常連さんは『こんなときだから』と心配してお店に来てくれるのですが、みな18~19時の早い時間。20時以降に残業が終わってからやってくるというお客さんはめっきりいなくなりましたね。すぐ帰ってしまうのでしょうか」

と話す。震災で、宮城県閖上産の赤貝や三陸で採れていたワカメが入らなくなってしまった。現在は西日本から取り寄せたもので代用しているが、「今後どうなるのか」と心配している。

   築地市場関係者は「何でもかんでも自粛していると、景気が悪くなって被災地の復興が却って遅れます。旅行が中止になったら、その代わりに美味しい物を食べるとか、そうやって元気を出すことも大事なのではないでしょうか」と話している。

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