圧力容器とつながる配管の破損個所から地面、海に漏出?
グンダーセン氏は、自身のウェブサイトで汚染水漏出のメカニズムを図解入りで説明している。図では、圧力容器とつながる配管のうち損傷したと考えられるものを「赤」で表示しており、かなりの部分を占める。放射性物質を含んだ水が配管を伝って流れる過程で、配管の破損個所から地面に、あるいは直接海に流れ込んでいるのではないかと同氏は結論づけている。
3月29日付朝日新聞(朝刊)によると、東京電力の武藤栄副社長は、「圧力容器につながる配管や、格納容器にはいろいろな部分がある」と述べたうえで、配管の弁などが高温、高圧になれば水が漏出する可能性があると話した。また東電の黒田光課長が会見で、圧力容器について「下の方に穴があいているというイメージ」と述べたという。2号機は、3月15日に起きた爆発で、圧力容器を覆う格納容器の下部にある圧力抑制室が破損した疑いがある。圧力容器から汚染水が格納容器に漏れ、さらに圧力抑制室の壊れた部分から外部に漏出、という可能性もあるだろう。
汚染水の除去作業はすでに始まっているが、1~3号機では当面の汚染水の移し先としていた復水器が満水のため、別のタンクに復水器の水を移し換えてから作業、と手間がかかっている。1、2号機では圧力容器内の温度が上昇しており、冷却水を注水しながら汚染水の排水作業を続けなければならず、各号機で難航している。