「発電でプルトニウムがたくさん蓄積」
新聞各紙によると、考えられるシナリオは、3つほどあるという。
まずプルトニウムそのものも燃料の一部にしている福島第1原発の3号機だ。ウランを混ぜた酸化物のMOX燃料を使う「プルサーマル」と呼ばれる発電方法で、2010年10月から始まっていた。プルトニウムを混ぜているため放射能は高く、溶融しやすいとされる。
また、ウラン燃料を使っている1、2号機でも、発電中にウラン238が中性子を吸収してプルトニウム239に変わるため、これらから漏れ出した可能性もある。さらに、プルトニウムを含んだ使用済み核燃料プールがある4号機も、火災をきっかけに飛散した可能性が指摘されている。
京大原子炉実験所の小出裕章助教は、取材に対し、1、2号機でも発電でプルトニウムがたくさん蓄積されており、1~4号機のいずれからプルトニウムが漏れ出してもおかしくないことを明らかにした。
そのうえで、小出助教は、次のように指摘している。
「とにかく、炉心そのものが溶融しないように、全力を尽くすことが大切です。そのためには水を入れて、炉心を冷やし続けるしかありません」