東北関東大震災後の2週間で、追加型の株式投資信託の収益率が3.2%減少したことが野村総合研究所の調べでわかった。2011年3月24日時点の追加型投信の残高は51兆758億円で、震災発生前の3月10日と比べて1兆8274億円減った。
投資対象別の収益率は、国内株式が8.2%減、海外株式は3.5%減、国内REITは3.3%減、海外REIT 4.1%減、上場投資信託(ETF、日経300株価指数ETFを含む)は8.6%減と、いずれのタイプも減少。増えたのは国内債券(0.4%増)だけだった。
震災直後は日経平均株価が約1割も下落するなど、株式相場の混乱が投信の運用にも大きく響いた。福島第一原子力発電所の事故で東京電力株が急落したことなど、主に電力株を多く組み込んでいる商品は下落幅が大きかった。
株式相場は震災後の数日で外国人投資家の買い注文が増えてきたことで、一時8000円台に下落した株価が9500円前後にまで回復してきたが、投信は個人投資家に支えられている側面が強いため、慎重な投資姿勢が続くと回復には時間がかかる可能性がある。