原発の増設・新設が延期や凍結 日本のエネルギー政策「今が正念場」

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非常用発電機のバックアップ体制などを強化

   東電を筆頭とする電力会社と政府は地球温暖化防止のため、現在の54基に加え、新たに9基の原発の建設に着手する計画だった。現在、原発の増設・新設計画があるのは、東北電力の浪江・小高原発(福島県=2016年度着工)、東通原発2号機(青森県=2016年度以降着工)▽東京電力の福島第1原発7号、8号機(福島県=2012年4月着工)、東通原発2号機(青森県=2014年度以降着工、東北電力の同名原発とは別物)▽中部電力の浜岡原発6号機(静岡県=2015年度着工)▽中国電力の上関原発1号機(山口県=2012年6月着工)、同2号機(山口県=2017年度着工)▽九州電力の川内原発3号機(鹿児島県=2013年度着工)――の計9基。

   このうち、着工が最も早いのは、皮肉にも今回の事故が起きた東電の福島第1原発の7、8号機で、この4月に着工する予定だったが、新規着工どころでないのは言うまでもない。

   電力各社は東電の事故を教訓に「新たな知見を反映し、安全策に万全を期す。原発はエネルギーの安定供給に欠かせない」(大手電力会社)というのが公式答弁だ。当面は津波対策のほか、万一、津波で電源を失った場合の非常用発電機のバックアップ体制などを強化するといい、関西電力は最大1000億円を投じる方針を表明済み。しかし、ひとたび重大事故が起きれば、取り返しがつかなくなることが証明された原発の新規立地に政府と電力会社がどこまで本腰を入れるのか。日本のエネルギー政策がターニングポイントを迎えたのは間違いない。

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