開幕日決定のドタバタ生んだセ・リーグの「無理無策」

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公式戦収益を復興基金にできないのか?

   この無理に加えて無策だったこともある。公式戦の試合をし、その収益から被災の地に寄付をすることを提案できなかったのか。未曾有の大被害だから復興には多額の資金が必要になる。プロ野球はお金を稼げる団体なのだから、ナイター自粛とともにそのような開催条件を明快にすればよかった。

   あるいはセ、パを問わず各球団が主催試合のうち、たとえば5試合ずつ計60試合をコミッショナー主催の形で提供し、収益金をすべて寄付することもできた。「チャリティーゲーム」と銘打ち、同時に放映されるようメディアに協力を得たらいい。観客は入場料を払うことによって間接的に寄付を行うことになる。

   選手にしても試合をすることで援助できればプレーに張り合いが出るはずである。それこそ最高の「プロ野球の協力」態勢だと思う。やりかたによっては数十億円の寄付も可能になる。シーズンを通して援助体制を取ることができる。

   このような姿勢を最初から示しておけば、世論も開幕への道を開いてくれたかもしれない。今からでも遅くないから、試合の収益金を基にした「プロ野球復興基金」を設立したらどうだろうか。

   大リーグはそのような方法で年金の財源などに充てている。大リーグ経験選手が何人もいるのだから選手会も現実的なアイデアを出すべきだった。今回も経営者vs労働組合の形でしかなかったのは両方に猛省を促したい。

スポーツジャーナリスト・菅谷 齊

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