CNNやテレグラフ震災記事は「インチキ」 海外メディア監視サイトが「告発」

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「放射線の拡散で東京はパニック」

   欧州のメディアにも批判は少なくない。英デイリー・テレグラフ紙電子版は3月15日付の記事で、「放射線の拡散で東京はパニック」と報じた。記事が配信されたのは、福島第1の2号機で爆発が起き、原子炉格納容器下部にある圧力抑制室の破損が報告された時期だ。記事中には「東京在住者の中には既に住まいを離れ、とどまった人も屋内退避指示を想定して食料の買い占めに走った」とある。だが「東京脱出者」の例で挙げたのは来日しながらコンサートが中止となったチェコ交響楽団のメンバーや、ドイツ大使館が日本在住者に退避を促したというもので、在京日本人のコメントはゼロ。「恥辱の壁」サイトではこの記事を、「事実を誇張した記事。東京でパニックなど起きていない」として、11段階中「8」の評価を下した。

   独誌「シュピーゲル」は3月13日付の記事で、震災から2日たった東京で深刻なモノ不足に陥っていると指摘。記者が都内の自転車販売店を取材したところ、自転車が売り切れていたという。それを見て「人々は都内がパニック状態に陥り、延々と交通渋滞になるのを恐れている」と結論づけた。渋滞でも自転車なら都内を脱出できる、という意味だろうか。だがある読者は「恥辱の壁」でこの見方を否定。「自転車が売れたのは東京を脱出するためじゃない。電車が動かなくなったときに有用だからだ」としたうえで「ありきたりの事実を見つけてきて誇張した記事を書いている」と批判した。

   各メディアの記事を批評しているのは「短期的に日本に派遣されたジャーナリストではなく、日本を拠点にしている人々」(「恥辱の壁」サイトより)で、日本の事情に通じているだけに指摘も鋭い。日本の一部報道機関についても「センセーショナル」などとの投稿があり、当面はメディアウォッチを続けるようだ。

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