フル生産すれば合板不足は解消?
さらに木材問屋が在庫を持たなくなったのも品薄に拍車をかけている。
「昔は問屋も在庫を持っていたが、5年ほど前から、いつ売れるか分からないものは持っていても仕方ない、『不良在庫』ということで、みな持たなくなってしまった。阪神大震災のときは在庫があったので、大丈夫だったのですが……。被災した東北地方の合板工場の生産が戻ったとしても、復興資材に優先的にいくとなると、西の方にまで回ってくるかどうか」
と心配している。
多くの合板メーカーが所属する日本合板工業組合連合会によると、2008年のリーマンショック後、住宅建築が落ち込み合板業界も3~4割の大幅減産。最近も1~2割減産し、そんな中今回の地震があった。ただ、同連合会の川喜多進事務局長は
「合板工場も被災したが、被災地以外のメーカーがフル生産すれば量的には問題ない。仮設住宅を2か月で3万棟作ったとしても必要な合板は60万枚。フル生産なら全国で月に約800万枚作れるので、合板不足もじきに解消されると思います」
と話している。