外食大手は「影響小さくない」
出荷制限や摂取制限の対象となっているのは福島、茨城、栃木、群馬県産のホウレンソウとカキナ、福島産のコマツナ、キャベツ、ブロッコリー、カリフラワーなど多品目にわたる。ある外食大手に聞くと、福島県産のホウレンソウの使用を中止し、ほかの野菜で代用しているという。茨城県産のパセリも出荷制限が出たため、パセリを使った料理も取りやめた。「1品でも提供できないメニューが出れば、影響は小さくありません」と、この会社の広報担当者はため息をつく。
農林水産省が2010年8月30日付で公表した、09年産秋冬野菜の出荷量の統計を見ると、出荷制限や摂取制限の出た4県のホウレンソウの出荷量合計は、全国の約17%を占める。ブロッコリーは、福島県だけで5%に達する。国内の食品業界はまずは様子見のようだが、事態が好転しなければ「実績」のある中国からの野菜の輸入増が本格化するかもしれない。