約30キロ北西で、約24時間の積算放射線量が1.4ミリシーベルト
20キロ圏内避難指示の時点の避難指示対象エリアは10市町村(一部区域が入る自治体含む)で、関係住民・避難民は7~8万人いた。さらに3月15日には、20~30キロ圏内の住民に屋内待避の指示が出された。このエリアには、住民・避難民合わせ約14万人(8市町村)がいた。NHKの報道によると、3月25日14時段階で現地に残っているのは「少なくとも1万339人」(9市町村)という。多くの住民・避難民はすでに自主避難しているようだ。
屋内待避エリアでは、枝野長官の呼びかけ以前から自主避難の動きは始まっていた。福島県川内村では3月16日、同県郡山市へ「全村避難」した。住民・避難民ら約4000人と役場関係者らが、バスのピストン輸送で避難した。他自治体でもすでに住民へ自主的な避難を呼びかけていた。
枝野長官会見を報じた朝日新聞(ネット版、25日)は、自主避難の呼びかけとはいえ、事実上、避難指示が出たのと同じ対応を住民に求めるものだ、として「今後、政府の判断の遅れが問題となるのは必至だ」と批判している。
また、文部科学省は3月25日、第1原発から約30キロ北西の地点で、約24時間の積算放射線量が1.4ミリシーベルトだったと発表した。一般人の年間被ばく線量の限度は1ミリシーベルトとされており、これを超える値だ。