復興対策の規模は10兆円程度 子ども手当て、高速道無料化など見送りへ

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   東北関東大震災からの復旧・復興に向けた2011年度補正予算案の議論が本格化してきた。日本の財政状況が悪化する中、課題は財源をどうひねり出すかだ。

   震災対応で当面必要な費用を政府は2010年度予算の予備費で賄っており、予備費の残額2038億円のうち約360億円を支出すると決めている。

予備費では足らず、補正予算支出が不可欠

   2011年度予算が成立すれば新たに1兆1600億円の予備費の活用が可能になるが、今後の被災地の復興に必要となる金額には遠く及ばず、補正予算による財政支出が不可欠な状況。野田佳彦財務相は3月22日の参院予算委員会で、「補正予算は早晩組まなければならない。財源の問題を含め与野党で議論させていただきたい」と答弁し、野党の協力を得ながら早期の補正予算成立を目指す考えを明示した。

   復興を考える基になる震災の被害額について政府は3月23日、インフラなど直接的な被害額が16兆~25兆円にのぼるとの試算をまとめた。宮城、岩手、福島の3県の資産額が計70兆円、茨城や青森などを加えた被災7県は170兆円で、地域ごとの被害状況から損害率を推定し、計算した。1995年の阪神大震災(被害額約10兆円)と比べ被害が広範囲に及ぶという認識で、民間のシンクタンクなどの見積もりともほぼ符合する。

   そこで、復興対策の規模だが、やはり、阪神が参考になりそうだ。このときは、1994年度補正予算で1兆223億円(全額が震災関連対策費)を組んだのに続き、95年度第1次補正予算2兆7261億円(うち震災対策1兆4293億円)、同2次補正予算5兆3252億円(同7782億円)。3度の補正を合わせて歳出総額は9兆1000億円で、これには折からの円高対策も含むので、震災対策に限ると計3兆2000億円。

   今回は、被害が阪神の2倍以上に達するとすれば、対策費も2倍以上になるのは確実で、民間シンクタンクなどは5兆~9兆円程度を見込む声が多く、政界では「10兆、20兆円が必要」(与党議員)などの声があり、「10兆円」が相場になりつつある。

   具体的な補正の段取りは、緊急措置として必要なことと、本格的な復興と、2段階の補正を組むのが確実で、「被害の全貌が簡単には明らかにならず、(補正予算は)3回、4回になるかもしれない」(玄葉光一郎国家戦略担当相)ともいわれる。

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