「被害を受けた感覚」から抜け出すには
同県唐津市の進藤病院。精神科医の進藤太郎氏によると、この症状はASD(急性ストレス障害)に似ていて、メディアが発達していない時代にはあまり起こらなかった「現代病」のようなものだという。
原因として考えられるのは、被災のショッキングな映像をテレビやネットで繰り返し見たこと。もともとショッキングな映像は健常者でもリスクが高く、それを繰り返し見ることによって実際に体験したわけではないのに「自分が被害を受けた感覚」になってしまうという。
症状が出た時の対策としては、被災に関するショッキングな映像と距離を置くこと。特に子供の場合は親がテレビやネットを制限すること。また、自分を現実に戻すことも重要だ。そのためには、
「現実の世界の中で、自分が苦しんでいることを親や友人達に直接、話したりすることが有効です。どうしても症状が治まらない場合は、医療機関に相談するのがいいと思います」
と進藤医師はアドバイスしている。