「浄水器」で放射性物質ろ過できるのか データないが一部の機種で可能性あり

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   東京の水道などで放射性ヨウ素が検出され、浄水器メーカーなどに「ろ過できないか」といった問い合わせが相次いでいる。また、半減期が長くもっとやっかいなセシウムはどうなのか。

   東京都に続き、埼玉県川口市や千葉県松戸市でも2011年3月24日、乳児の暫定基準値を超える放射性ヨウ素131が検出された。

「活性炭でヨウ素取れると予測できる」

   この影響でペットボトルの水が次々に売り切れる事態になり、水への関心が急速に高まっている。浄水器メーカーなども、消費者や小売店などからの問い合わせへの対応に追われている。

   問い合わせは、ヨウ素などの放射性物質を浄水器がろ過できるのかというものが多いようだ。

   浄水器メーカーでつくる浄水器協会の事務局長は、取材に対し、「そもそも水道水に入っている前提がないので、試験の方法はなく、データもありません」と明かす。問い合わせには、「放射性物質には対応していません」と答えるしかないという。

   ただ、一般家庭用の浄水器には、活性炭のフィルターが入っており、ヨウ素は活性炭に付きやすいため、一定の効果があると言われている。事務局長も「活性炭でヨウ素が取れる、という予測を立てることはできます」と話す。ただ、使用済みフィルターが入ったカートリッジをどう取り扱い、どう廃棄するかという課題も残るという。

   また、セシウム137については、事務局長は、「活性炭では取れません」と指摘する。ただ、試験方法などはないものの、水の濁りを取る中空糸膜が、ある程度はろ過できるかもしれないとした。特に、小さな不純物も除去できる逆浸透膜付きのRO浄水器なら、確実に取れる可能性があると言っている。

RO浄水器なら、セシウムも取れる可能性

   大手メーカーの1つ三菱レイヨン・クリンスイによると、一般家庭用の浄水器製品には、ほぼすべての機種に活性炭や中空糸膜を使っている。同社の担当者は、「やはりデータがなく、ろ過できるか明確にお答えできない」とは言うものの、ヨウ素などの放射性物質をある程度はろ過できる可能性があることは認めた。

   同社の浄水器には、水道の蛇口に付けるだけの2000円前後のタイプから、屋内の水道配管に工事で取り付けるシステムキッチンタイプの10万円ほどのものまであるそうだ。

   また、逆浸透膜付きのRO浄水器については、浄水器協会によると、いくつかのメーカーから製品が出ている。しかし、やや高額とあって普及していると言えるほどではなく、海外メーカーの製品も多いようだ。

   韓国メーカーのコーウェイでは、ほぼ純水になるというRO浄水器を取り扱っている。ウランやラジウムについては、99%ろ過できるとのデータがあるという。担当者は、「ヨウ素やセシウムについてのデータはないが、同じように当てはまるはず」と言っている。

   ろ過が遅くなるため、屋内にタンクを設けるタイプを扱う。3か月に一度のメンテナンスが必要なことから、主にレンタルしている。月額で6500~7400円するが、この騒ぎで問い合わせの電話が増えているという。

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