金子みすゞ詩集に注文殺到 きっかけはACのコマーシャル

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   東北関東大震災後、民放では連日ACジャパン(旧・公共広告機構)のCMが流れているが、そこで使われた詩が注目を集め、詩集に注文が殺到している。

   現在流れているCMで使われているのが「『遊ぼう』っていうと 『遊ぼう』っていう。(中略)『ごめんね』っていうと 『ごめんね』っていう。こだまでしょうか、いいえ、誰でも。」という詩。大正時代の詩人・金子みすゞの「こだまでしょうか」という作品だ。

「どの本に収録されているのか」問い合わせ多数

   女性の落ち着いたトーンの声で読み上げられ、CM最後には「やさしく話しかければ、やさしく相手も答えてくれる」というキャッチコピーが入る。ACのサイトによると、このCMは人と人との優しい会話のきっかけになることを願い2010年に制作された。

   放送自体は同年からされていたが、2011年3月11日の東北関東大震災後でスポンサー企業がCMを自粛したことで、連日何回も流れることになった。そのせいもあって、現在大きな注目を集めている。

   金子みすゞの詩集を多数出版しているJULA出版局には、17日頃から、書店や個人からどの本に収録されているのか、といった問い合わせが殺到しているという。

「元々金子みすゞは生前は無名で、1980年代に口コミで世の中に知られるようになった詩人。それだけ強い言葉を持っています。『こだまでしょうか』は、相手を思いやるという詩なので、こんな時期だからこそ人を惹きつけているのかもしれません。阪神大震災のときも金子みすゞの詩集を被災地に送るという動きがありました」

と担当者は話す。

   この詩が収録されている「わたしと小鳥とすずと―金子みすゞ童謡集」を現在重版しようとしているが、地震の影響で紙が手に入らず、発送できるのは4月中旬になるという。同作はアマゾンでは3月23日17時現在、近代詩のカテゴリーで2位に入っている。

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