日本株は割安なのか? 外国人投資家の「買い」続く

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   東北関東大震災の影響で、一時は8500円を割り込んで下落した東京株式市場。それが2011年3月23日には終値で9500円近くまで急回復している。

   「原動力」となったのは、外国人投資家だ。震災後の円の急騰により、先進7か国(G7)の中央銀行が円売り・ドル買いの協調介入に踏み切っり、「行き過ぎた円高」が抑えられるとみるや、輸出関連企業を中心に「買い」に入った。

   福島第一原子力発電所の事故は予断を許さず、震災復興への見通しも不透明な状況にあるなか、外国人投資家の目には「日本株は割安」にみえるようだ。

株価下落は「原発ショック」

   トヨタ自動車やパナソニックといった主力株に「買い」が入った3月22日は、終値で9608円32銭まで上昇。23日にはその主力株を中心に、利益を確定しようと「売り」優勢で進んだことで、終値は前日比158円85銭安の9449円47銭で引けた。

   上昇した反動もあるが、ある証券アナリストは、「売りに動いたのは国内投資家。外国人投資家は買い優勢で、下値を支えていた状況でした」と話す。

   震災後の株価の急激な乱高下は、「震災というより、原発事故の影響」との声が少なくない。いわば、「原発ショック」だ。

   東芝や日立製作所などの原発関連銘柄の株価は下げぎみ。東京電力は「売買が活発で、マネーゲームの様相にあります」(前出の証券アナリスト)と話す。

   現状の9500円前後の水準を、第一生命経済研究所主席エコノミストの島峰義清氏は「震災や原発問題に関する政府の対応やリビア問題などを勘案すれば、適当な水準ではないか」とみている。

   外国人投資家の「買い」の前提は「原発問題は深刻化しないという見方にある」と指摘。ただ、「あくまで9000円程度を割安とみているのであって、9500円以上の水準でさらに買ってくるのかといえば微妙ですね」と話している。

   福島原発が深刻な状況が続いている一方で、すでに夏場の電力不足が心配されるなど、不透明な部分は少なくない。外国人投資家の「買い」の余地には限界がありそうだ。

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