東電、国有化の可能性も 巨額補償にどう対応

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国有化なら、上場廃止に

   過去、原賠法が適用されたのは1999年に起きた茨城県東海村の臨界事故で、半径350メートル以内に避難指示が出たとき。このときの損害賠償額は約150億円だった。今回の福島原発の事故では、現時点でも半径20キロ圏内で避難指示が出ている。農作物への被害状況や、避難の拡大や長期化が見込まれるだけでなく、風評被害の拡大も懸念されていて、国の補償額はさらに膨らむ可能性が高い。

   また東電は、計画停電では企業や一般家庭にも重大な負担をかけていることもある。電気という「社会資本」をまかなっているだけに、復興に向けて福島原発に代わる新たな発電所の必要性もあるから、相当な投資が必要になる。補償を含め、もはや一企業がまかなえる金額ではなくなるため、国が「支援」しようというわけだが、そうであれば、「東電は民間企業である必要がない」との声もある。

   さらに、福島原発はいまも予断を許さない状況にあるが、住民の避難指示が遅れる要因にもなった、不十分な説明や情報開示の遅れなどで政府との連携の悪さも露呈。政府内では「東電にはもう任せておけない」という空気もある。

   国有化となれば、当然、東電の経営陣への責任追及を厳しく行う必要がある。さらには日本航空の例も引くまでもなく、株式の上場廃止も免れまい。

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