経産省は「現場の判断」も強調
7時間放水については、経産省の広報班では、「現場の状況を見ながら、放水時間を対策本部で議論して決めました」と説明する。レスキュー隊の現場と役割分担しながら協力してやっているといい、執拗に要求したわけではないと言いたいようだ。
また、給水ホースの設定は、主に「現場の判断」だったことを明らかにした。広報班は、「放射線量が高く、爆発による飛散物があり、当初考えていた距離ではできませんでした。そのことを本部と連絡しながらやったということです」としている。
レスキュー隊に処分をちらつかせたという点については、海江田万里経産相が会見で、その事実は明言しなかったが、「私の発言で消防の方が不快な思いをされたのなら申し訳なく思う」と陳謝している。
経産省の広報班は、現場を知らなかったなどとの猪瀬直樹副知事の指摘には否定的な見方を示し、「事実確認が足りずに整理しないで書いているようでもありますので、あまり気にしていません」と言っている。
なお、東京消防庁の報道係によると、放水塔車は、エンジン焼き付きではなく長時間運転による排気ガス処理装置の不具合で、14時間ほど使って車両交換した。別の1台で7時間ほど放水したが、予定で4時間しかできなかったわけではなく政府側と協議した結果だという。また、給水ホースの設定は、要求されたわけではなく、爆発によるがれきなどがあったため、現場での判断で800メートルの距離にしたとしている。
猪瀬氏は、聞き取りの際の誤解もあったようだ。しかし、指摘のような要求があった可能性もあり、真相はまだ不明だ。