徹底調査:モノが消えた(5)首都圏の 「ガソリン行列」やっと減ったか

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首都圏「3月中には相当解消される」

   石油元売り大手の出光興産IR・広報室に聞くと、3月19~21日の3連休前まで、同社には「都内近郊でどこの給油所が開いているか」との問い合わせが頻繁に寄せられていたという。だが休みが明けてから電話の件数が目に見えて減ったことから、ガソリンの需給ひっ迫も「3連休がピークだった」と感じているようだ。実際に営業を再開した給油所が増えており、首都圏に限れば、「現在ご不便をおかけしていますが、3月中には相当解消されると思います」という。

   被災地周辺への供給も、改善へと向かいそうだ。被災した塩釜港(宮城県)が一部復旧し、石油タンカーが入港できるようになった。出光は21日、同港でガソリン1050キロリットル、灯油470キロリットル、軽油490キロリットルを荷揚げ。すでに稼働を再開している同社塩釜油槽所からタンクローリーで宮城県や岩手県南部、福島県の給油所へ輸送を始めた。22日にも塩釜港にタンカーが入港し、石油製品は「今後もコンスタントに入荷する予定」(出光興産IR・広報室)だ。震災の影響で、これまでは新潟や秋田の製油所からタンクローリーで十数時間かけて運搬してきたが、塩釜港の利用が可能になったことで宮城県内を中心に周辺地域の給油所への輸送効率が格段にアップ。「ガソリン切れ」で休業していた給油所も徐々に再開してきた。

   政府も供給増を後押しする。経済産業省は3月21日、石油元売り会社などに義務付けている石油製品の法定備蓄について、45日分にまで引き下げると発表した。石油備蓄法による備蓄量は70日分だが、同省は3月14日にも「67日分」に引き下げており、今回はさらに備蓄の取り崩しを拡大する処置となる。

   現時点では、地震前のような「安定供給」までは回復していないが、最悪の危機は脱したようにみえる。

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