徹底調査:モノが消えた(4) 入荷した途端に消えてしまう納豆

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東北道、常磐道は徐々に復旧

   ようやく納豆を見つけたのは、都心のスーパーだった。2種類の納豆が3パックずつ残っている。店員によると、茨城をはじめ納豆生産の中心地が被災し、工場がストップしたり物流に影響したりして、入荷がままならないそうだ。ようやく店に届いても「すぐに売れてしまう」と話す。その近所のスーパーにも納豆があった。「土曜日(3月19日)あたりから少しずつ入ってきました」という。販売されていた納豆のラベルを見ると、すべて栃木県宇都宮市のメーカーのものだった。

   納豆メーカー最大手で、茨城県小美玉市にあるタカノフーズは、ウェブサイト上に「東北・関東地区の納豆及び豆腐工場が被災しており、復旧作業をすすめております」とある。生産工場や物流センターは茨城に多く、関東方面への出荷はここが拠点になっているようだ。同じく大手のミツカンも、「関東エリアの工場の一部で被害が発生」とサイトで報告。栃木市や群馬県館林市に工場がある。メーカーの生産体制が厳しい状態なのは事実と見られる。

   地震発生以後、東日本の交通の大動脈である東北自動車道や常磐自動車道をはじめ、北関東や東北へ向かう国道も大きな被害を受けた。多くの地域で通行止めが続出したが、それでも3月19日には東北道が浦和から宇都宮まで、常磐道も21日10時に水戸から福島県の「いわき中央インターチェンジ」までの通行規制が解除され、一般車両も通行できるようになった。都内と北関東、東北を結ぶ道路の復旧が進んで配送網が確保され、工場の操業も本格的に再開すれば、納豆の品薄も解消に向かう可能性はある。

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