東北関東大震災の発生を受け、「ネットの強さ」が存在感を見せている。携帯電話はほとんどつながらなくなり、携帯電話のメールも大幅に遅延したのに対して、ツイッターやウェブサイトへの接続は「健在」。単なる「口コミ」にとどまらない、災害情報を伝えるメディアとしての力が浮き彫りになった。
携帯電話の回線は、容量を超える通信が発生すると、輻輳(ふくそう)と呼ばれる状態になり、本来は行えるはずの通話や通信で出来なくなってしまうことがある。
携帯電話のメールも遅延が目立つ
このことから、携帯電話大手3社は地震直後から発信規制を実施。一時期は、規制率は最高で90%にも達した。つまり、10回発信しようとしても、9回はできなくなったわけだ。同時に、携帯電話のメールも遅延が目立ち、中には届くまでに数時間かかることもあった。
対照的に、比較的通常通りだったのがネット環境だ。元々、インターネットは「どこかが切断されても、別のルートを迂回して通信できる」という思想で、軍事技術として活用することを念頭に開発された経緯がある。
携帯電話経由のネット接続では、通信速度が低下したり、つながりにくくなるケースもあったものの、「電話やメールはダメだが、ミクシィ(mixi)やツイッターはつながった」というケースが多かったのは確かだ。
このことから、ソーシャルメディアが安否確認などの情報交換でも活躍している。例えばミクシィでは、利用者の大体の最終ログイン時間を表示する機能があるため、大まかに「ログインした形跡があれば無事」だという判断ができる。また、震災関連のコミュニティーも多数立ち上がり、多いものでは、36万人が参加しているものもある。