計画停電の追い討ちで、被害額さらに増える
こうした数字に、生産活動への影響、物流の停滞、企業・家計のマインドへの影響も加えると、マイナスは20兆~30兆円に達するとの見方もあるが、さらに追い討ちをかけそうなのが電力供給の不安だ。ゴールドマンは、東京電力の計画停電が当初見込み通り2011年4月末まで続いた場合、4~6月期の実質国内総生産(GDP)はマイナス成長に陥り、2011年通年では実質GDPは0.5%程度押し下げられると予測。UBS証券は4月末まで電力供給が25%減ると実質GDPを0.3%押し下げるとみている。
特に生産現場からは、1日3時間程度の「細切れ停電」に悲鳴が上がる。「(輪番制では)いつ停電になるか見通しが立たない」(桜井正光・経済同友会代表幹事)ため、「半導体のように、業種によっては細切れ停電では生産できない」(米倉弘昌・経団連会長)というわけだ。このため、「丸1日休んで2~3日は操業できるような対応が必要」(米倉会長)と求めている。