被災地学生は就職活動どころでない 大手企業が新卒採用を続々延期

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   大手企業で2012年春の新卒採用を延期する動きが広がっている。東北関東大震災から11年3月18日で1週間が経つが、いまなお家族や親戚の安否確認がとれなかったり、避難生活を余儀なくされたりと、被災地の学生は就職活動どころではないのが現状だ。

   そういった被災地の学生らが地震の影響で不利にならないように配慮し、エントリーの時期を延期するなどの措置を講じている。新卒採用をめぐっては「就職氷河期」の状況もあることから、学生の心理的負担をやわらげる狙いもある。

   厚生労働省と文部科学省が2011年3月18日に発表した、今春卒業の大学生の就職内定率は77.4%にとどまり、2000年以降で初めて80%を割った。この調査は震災前で、厚労省は「震災によって新卒予定者の就職内定状況に影響が出ることも予想される」と指摘。12年春の採用も厳しくなりそうだ。

損保ジャパンは7月に「特別選考会」を開催

   2012年春の新卒採用活動はすでに始まっていて、3月中旬をエントリーの締め切りとしていた企業が少なくなかった。

   三菱東京UFJ銀行はインターネットでの総合職採用の受付期間を、被災地の学生を対象に当初の3月17日から、同25日まで延期した。

   三井住友銀行は2011年4月以降に採用活動を始めるが、夏にもエントリーを受け付ける「夏採用」(仮称)を実施する予定。詳細なスケジュールは後日ホームページで公表するが、被災地の学生に向けては「まずは安心して」と呼びかけている。

   損保ジャパンは、被災地(東北6県と茨城県)以外の地域を含め、選考会の延期を決めた。具体的な期日は未定。当初は被災地に限り対象としていたが、採用機会の公平性などを考慮して再度見直している。

   転勤を伴う総合職を希望する学生向けには、すでに3月17日でエントリーを一たん締め切ったが、18日以降も受け付けている。「締め切りはまだ決めていない」(広報室)という。また、3月18日に予定していた福島での就活応援セミナーは中止。転勤を伴わない総合職の選考会は当初の予定どおり4月26日までエントリーを受け付ける。

   さらに、こうした対応でも選考会の参加が困難な、被災地の学生を対象に「特別日程選考会」を開催。6月にエントリーを受け付け、7月に選考会を開催する予定だ。

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