東北関東大震災の被害の拡大や福島原発の事故で人々の不安が続くなか、みずほ銀行のATMが2011年3月15~17日の3日連続で停止した。システム障害はいずれも朝方に起こり、その日のうちに復旧しているものの、外貨預金の取り扱いができず、振り込み業務は処理が遅れている。
3月17日は10時35分にいったん復旧。午後に西堀利頭取が緊急記者会見を開いて謝罪したが、17時50分以降から再びオンラインが停止。ATMばかりか、インターネットバンキングも使えなくなっている。
原因は震災義援金の集中か?
システム障害の経緯は、3月15日に個人や法人から依頼された約38万件、約4900億円分の振り込みが未処理になったのがきっかけ。夜間に処理を進めたが終わらず、16日も全国440か店で降り込みや為替の受け付けなどの窓口業務が停止。同日分の約6万件、約800億円の振り込みが未処理になった。
同行によると、システム障害は「震災とは関係ない」という。15~16日に「積み残し」になっていた振り込み処理が17日朝までに終わらず、3日連続でトラブルに見舞われた。 銀行は夜間に翌日分の振り込みや口座振替などの処理を進めている。18日朝もATMが稼働しない可能性もあるが、同行は「3月19~21日の3連休中には完全復旧させる」と話している。
一方、記者会見で西堀頭取は原因について、「震災後に都内の複数の支店で多くの取引が集中したため、一時的にシステムの処理量が想定容量をオーバーしたため」と説明。取引内容については「引き続き調査中」だが、東北関東大震災の義援金の振り込みが集中したことで発生したとの可能性が指摘されている。
17日夜にはオンライン業務すべて停止
みずほ銀行のATMは3月17日19時現在、停止している。それまでは、外貨預金の受け付け以外は、ATMでの預金の入出金や残高照会、振り込み(予約)業務も稼働。日中は窓口での振り込み業務も受け付けていたが、「処理に時間がかかる」としていた。
17日昼過ぎに、同行はホームページ上でもお詫びの掲載とともに、ATMとインターネットバンキングが利用可能であることを知らせていたが、「オンライン停止しているので、すべての業務が止まっています」という。
みずほ銀行といえば、02年4月1日のみずほ発足時に起こった大規模システム障害の「前科」もある。震災直後であり、また原発事故や東京電力の計画停電、政府の節電対策への呼びかけなどで利用できる銀行ATMが減っているだけに、同行の利用者のみならず、批判の声が高まりそうだ。