原発作業員に海外からエール 「50人のヒーローを称えよう」

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   危険な状態が続く福島第一原子力発電所で、緊急作業にあたる人たちを励ます声が相次いでいる。欧米メディアは特集を組み、作業員の人数が50人と伝えられたことから、「フクシマ・フィフティーズ」と命名するところもある。

   国内でも、ツイッターなどで作業員の身を案じる投稿やコメントが見られる。

数百万人を救おうとしている

フェイスブックにも作業員の応援ページが
フェイスブックにも作業員の応援ページが
「放射線と炎に勇気を持って立ち向かうわずかな数の技術者が、福島第一原発に残っている。おそらく彼らは、核の惨劇が広がるのを防ぐ最後のとりでだ」

   米ニューヨークタイムズ紙電子版(NYT)2011年3月15日付の記事では、福島第一の作業員を特集している。記事は、「無名の作業員50人が、燃料棒の一部が融解して放射線物質を放出している危険極まりない原子炉に海水を注入して、数百万人の日本人が被爆する危機を防ごうとしている」と続く。東北関東大震災の影響で停電となり、真っ暗な原発施設内を、懐中電灯ひとつを頼りに動く作業員。頻発する爆発音を耳にしながら、放射線から身を守るために白い防護服をまとい、重たい酸素ボンベを背負って作業に携わっていると臨場感をもって伝えている。

   一方でNYTは、原子炉の監視に通常時は1基当たり10~12人が配置されているが、今回の危機的な状況にもかかわらずほぼ同数の人数しか残されていない点を指摘。また東京電力は、50人の氏名など個人情報を非公開としており、また作業員が疲労、発病した際にどうやって原発から救出するか言及していないと伝えた。

   米3大ネットワークのひとつ「ABC」はニュース番組の中で、「勇敢な作業員たち」と題したリポートを制作。作業に従事する人の家族が、自身の心境をつづったというメールを紹介した。それによると、父親が食料も水も尽きかけた状態で作業を続けているが、父親は「運命だと受け入れている。死刑宣告のようなものだ」と話したそうだ。ABCのウェブ版ニュース3月16日の記事の見出しは「フクシマ・フィフティーズ 危機迫る原発にとどまる50人のヒーロー」だ。

   「フクシマ・フィフティーズ(Fukushima 50)」の呼び名は、米公共放送PBSのニュース記事にも使われている。ツイッターでは、同じ話題を共有できる機能「ハッシュタグ」に「Fukushima50」が加えられ、「多くの人を救おうと命をかけている作業員に神のご加護がありますように」など、国内外から応援のメッセージが続々と書き込まれている。

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