日を追って深刻な被害が明らかになってくる東北関東大震災に関連して、1人の被災者のおじいさんが発した言葉がインターネット上で「感動した」と話題になっている。このおじいさんは、1960年のチリ地震に伴う大津波被害の体験者だ。おじいさんは被災家屋から救出された際、テレビ局の取材に対し、「また再建しましょう」と笑顔で力強く答えたのだ。
「今、降りてきます」。巨大地震発生から3日目の2011年3月13日11時前、フジテレビ系ニュースは、岩手県内で3人のお年寄りが取り残された家屋3階から自衛隊員らに救出された状況を映像と共に伝えた。高齢な人3人で、うち2人は女性、1人がおじいさんだった。
「チリ津波んときも体験してっから。大丈夫です」
自衛隊員らが付きそう中、おじいさんはしっかりした足取りで、階段を降りてきた。茶色のジャンパーにめがね姿で顔には笑みを浮かべている。テレビ局の記者がマイクを向けると、「大丈夫です。よかったです」と答えた。
さらに、「チリ津波んときも体験してっから。大丈夫です。また再建しましょう」と笑顔で続けた。
チリ津波とは、1960年5月に南米チリ近海で発生したマグニチュード9.5を記録した大地震の影響で、太平洋をはさんで日本の岩手県や宮城県などの海岸沿いを襲った大津波のことだ。国内で140人以上が死亡した。