「地震の影響で一部の商品に欠品が出ています」――2011年3月14日、東京都内のスーパーではそんな告知が店内に張り出された。午後6時頃に都内郊外のスーパーを巡ると、棚が空になっているのは米、パン、豆腐、ティッシュペーパーなど。あるディスカウント店では冷凍食品コーナーに商品が1つもなかった。
また、別のスーパーでは午前中に米が売り切れ。午後の入荷分については買い物客が殺到したため整理券を配っての販売になった。
冷凍食品も全部売り切れ
3月14日にスーパーから商品が無くなった理由は3つある。一つは渋滞で物流が滞っているため。「計画停電」の影響で電車が動かないため通勤などに乗用車を使用、渋滞が起こった。二つ目は地震で工場の機能が停止し製造できなくなった。そして、災害の不安から「買い溜め」が始まっているのだ。
あるスーパーの店長は、店内の空になった棚を指さしながらこう話した。
「野菜は東北、北海道から全く入ってきていない。パンは大手の製造ラインが地震で壊れたために品薄。豆腐は渋滞で納品の時間が遅れる。豆腐の場合は売れる時間帯があるため、納品の時間が遅ければ仕入れない。いつ解消するか?そんなことはわからない」
あるディスカウントストアでは、いつも冷凍食品を50%引きで販売している。前日までは商品が潤沢にあったのだが、この日は1品残らず売れていた。ティッシュペーパー、トイレットペーパーも売り切れだった。
米の販売に整理券の配布も
その近くのスーパーでは、冷凍食品はあったのだが、ティッシュペーパー、トイレットペーパーは売り切れ。そのスーパーの店員は、月曜日の開店前に客の行列ができた。こんな風景は見たことがないとして
「とにかくお客がどっと押し寄せて大量に買っていく。主要な商品は午前中で売り切れてしまう。その後に納品があるものの、6時くらいに買いに来ても、ご覧のように欠品になっている」
という。
別のスーパーでは米が午前中に売り切れてしまった。客から苦情が殺到したため、午後の入荷分については整理券を配って売ったが、あっという間になくなってしまった。
「危機意識からでしょうか、保存の利くものが飛ぶように売れている。備蓄しているんだと思います。おそらく他社の店舗でも同じ状態だと思いますし、確実に買いたければ、朝早く来店いただくしかないと思います」
と同店では話している。