米国を代表する消費者団体専門誌「コンシューマーリポート」が2011年の自動車メーカーの品質ランキングを発表し、ホンダが首位、富士重工業(スバル)が2位、トヨタ自動車が3位と日本メーカーが今年も上位を独占した。
4位はスウェーデンのボルボ、米国メーカーはフォードの5位が最高で、クライスラーは昨年と同じ最下位(13位)、ゼネラル・モータース(GM)は下から2番目の12位と振るわなかった。
ホンダ、スバル、トヨタと日本メーカーが上位独占
コンシューマーリポートは消費者の目線であらゆる製品をテストし評価する米国で最も権威のある専門誌として知られる。毎年同誌が発表するランキングは、米国の商品販売動向に多大な影響をもつと言われている。
今回、同誌がテストしたのは、米国内で販売されている日米欧の13メーカーの270車種。同誌のテスターが実際にロードテストを行うとともに、信頼性、燃費などを審査し、100点満点で総合評価する。ホンダ(74点)の首位は3年連続、昨年はホンダと同点で首位だったスバル(73点)は僅差で2位となったが、注目のトヨタ(71点)は昨年と同じ3位をキープ。トヨタは米国議会などで安全問題が取り沙汰され、ネガティブキャンペーンの矢面に立たされたが、同誌のテストでも安全に問題ないことが証明された。ホンダ、スバル、トヨタの上位3社の顔触れは3年連続で変わらなかった。
ニューヨークタイムズはフォードをもちあげる
躍進したのは、昨年の11位から5位に浮上したフォード(67点)だ。韓国のヒュンダイは昨年の4位から6位に後退した。このほかは7位マツダ、8位日産、9位フォルクスワーゲン、10位メルセデス・ベンツ、11位BMWの順で、名だたるドイツメーカーは日本メーカーの後塵を拝した。
トヨタを含む日本メーカーが上位を占めたのは朗報だが、気になるのは米国メディアの報道ぶりだ。ウォールストリートジャーナルはトヨタについて「トヨタは過去にリコールと品質のトラブルに見舞われたにもかかわらず、なんとか首位に近いスコアを維持した」と冷淡な書きぶりだった。
ニューヨークタイムズは「ホンダ、スバル、トヨタが3年連続で上位に位置する中、フォードがデトロイトのビッグ3の中から抜き出る形で最も改善した」とフォードを絶賛。クライスラーについては「新モデルが登場しなかったことが足を引っ張り、3年連続の最下位になった」、GMについては「(評価の低い)シボレーインパラなどがなければ、もっと高得点になっていた」など、言い訳ともとれる配慮を見せた。
ニューヨークタイムズは首位のホンダについて「ホンダは13メーカーの中で最も信頼性が高く、最高点を挙げたが、同誌の編集長は最新のホンダの何車種かは魅力的でないと評している。この中にはCR-Zとインサイトの2台のハイブリッドカーも含まれている」など、いちゃもんともとれる恣意的な記述が目立った。
米国メディアは総じて日本車には冷たく、ビッグ3に好意的という印象は否めない。両紙は米国を代表するクオリティーペーパーだけに抑制は効いているが、自国の自動車産業の話となると、米国特有の愛国心が頭をもたげるものらしい。
今回のランキングを詳報したコンシューマーリポート誌4月号は、3月8日の発売という。