「大臣は参加人数を知らされていなかった」
「一般の部とあまりにも差があるとは考えていません。障害者差別にも当たらないと考えています。一般の部は、オリンピック選考会も兼ねた競技性の高い大会です。車いすの部は、パラリンピックの公認も受けていませんし、参加者数を考えても、同じ土俵のものではありません」
車いすの部25人のうち、女子マラソン(42.195キロ)の参加者は2人。それでも優勝すれば、賞金20万円が支払われる。また、2、3位でも、それぞれ10万円、5万円が支払われる。そして、ここ数年は同じ参加者が優勝していることから、ネット上では、賞金がむしろ高すぎることはないのかとの指摘も出ているほどだ。
一般の部でも、女子マラソンは参加者の2割強に留まるため、男女で同じ賞金額であることに疑問の声もある。
東京マラソン財団の広報部では、「参加者数だけが賞金の決定要素ではなく、国内外の主要大会で男女とも賞金額が同一であったことから、同じ土俵のものと考えました」と言っている。
蓮舫行政刷新相の答弁については、内閣府の障害者施策担当者は、こう説明する。
「大臣は、参加の人数や状況をご存知ではありませんでした。聞き取りでこうしたことをご存知になれば、違う答弁になったかもしれません。東京マラソンの格差については、差別だとは言っておらず、問題提起しただけということです。差別がいけないと言ったのは、あくまでも一般論としてです」
なお、質問者の長島忠美委員は、取材に対し、その意図をこう話した。
「東京マラソンの賞金について批判したわけではありません。賞金を例として、障害者の社会参画を増やすよう、その頑張りをもっと評価した施策を取るべきだと言ったわけです」