東京マラソンの優勝賞金に対し、蓮舫行政刷新相が障害者格差があると噛みついたことに、ネット上で疑問の声が相次いでいる。東京マラソン財団も大きな格差でないと反論しているが、蓮舫大臣側は「差別だとは言っておらず、問題提起しただけ」などと説明している。
2011年は2月27日に行われた人気の東京マラソンでは、マラソンが一般と車いすの部に分かれている。優勝賞金は、男女ともにそれぞれ800万円と20万円だ。
答弁で「あまりにも差がある」
いわば40倍も格差があるわけだが、3月9日の衆院内閣委員会で、このことが話題になった。質問に立った自民党の長島忠美委員が「政府が障害者への思いを熱くしない限りは解決しない問題だ」とただすと、障害者施策担当の蓮舫大臣は、次のように答弁した。
「やはりこれはあまりにも差があるんでないかと、私もまったくそのように思っております」
つまり、格差には問題があるということだ。蓮舫氏は、東京マラソン財団への聞き取りから、ニューヨークシティマラソンが一般と車いすの部でそれぞれ優勝賞金が13万ドル、5000ドルと格差があるのをまねたことが分かったと言及。そのことを疑問視したうえで、今国会に提出する障害者基本法改正案には、次のような思いを盛り込みたいと明かした。
「障害を通して差別されることがスポーツにおいても通常生活においてもあってはならない」
こうした答弁の一部が新聞報道されると、2ちゃんねるやミクシィなどでは、蓮舫大臣の発言を疑問視する声が相次いだ。
東京マラソンは、一般の部の参加者が3万3000人強だったのに対し、車いすの部は25人。参加人数比を考えると、大きな賞金格差だとは言えないのではないかということだ。
東京マラソン財団の広報部では、取材に対し、蓮舫大臣とは認識が違うことを明らかにした。