巨大合併に急ピッチ世界の証取 東証、大証統合で日本も一気に動き出す

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国内取引所、一気に再編の可能性も?

   民主党政権は「日本をアジアの金融ハブにする」とのふれこみで「総合取引所構想」を打ち出した。だが、それぞれの取引所を管轄する金融庁、経済産業省、農林水産省が縄張り意識をむき出しにし、迷走している。取引所関係者は「取引が低迷する商品取引所の救済策」「成長戦略に盛り込むためだけにやっている」と冷ややかで、「笛吹けど踊らず」といった状況だ。

   東証の斉藤惇社長は2月18日の共同通信のインタビューで、現物株主体の東証とデリバティブに注力する大証が別々に存在するのは「前々からもったいないと思ってきた」と発言、統合に前向きな姿勢を示した。しかし、大証の米田道生社長は、デリバティブ取引強化に向けて商品取引所との連携を進める考えで、東証が送る秋波になびく様子はなかったが、一変した。

   ただ、東証と大証が統合に向かえば、TOCOMや他の地方取引所などがこれに合流する可能性も出てきた。

   大手証券系シンクタンクのエコノミストは「これから成長するのはアジアの取引所だが、制度もシステムも未整備。提携するには韓国がラオスの取引所設立を支援したように手間がかかる。その点、先進国の取引所との提携は即、システムコスト削減などの成果につながる」と指摘する。

   実際、NYSEユーロネクストとドイツ取引所の合併で年間3億ユーロ(335億円)のコスト削減が可能といわれる。

   国内取引所はこうした先進国市場の再編の動きからは完全に出遅れてしまっていたのは確かで、欧米市場の巨大化で投資マネーが日本を通り過ぎてしまう懸念が一段と強まっていた。

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