新幹線方式はフランスのTGVなどに比べ安全
実際、米国では首都ワシントンDC周辺やカリフォルニア州など各地で高速鉄道を含む鉄道建設計画が進んでいる。安全性や環境性能に優れた日本の鉄道技術は、フランスやドイツなどの強豪と互角に戦えるとの自信があるからだ。
米国の高速鉄道への参画を陣頭指揮しているのは、親米保守派経済人でもある葛西敬之会長。葛西氏は米高速鉄道の受注獲得が日米同盟を産業面から補完することになると主張。専用線を用いる新幹線方式は、専用線ではないフランス高速鉄道のTGVなどに比べて安全で、テロ対策や環境対策としてもすぐれていると訴えている。
特に各地の高速鉄道網建設は、リーマンショックからの早期回復を狙うオバマ大統領が「グリーン・ニューディール政策」の目玉に掲げた計画。JRが採用する新幹線N700系の車両重量は365トンと仏アルストムのTGVや独シーメンスのICEより1割以上軽く、環境面での宣伝効果も高いとの読みもある。