投資家ニーズもあって「売れる」
中国でビジネスを展開している日系企業は多い。中国の企業融資は中国人民銀行(中央銀行)が貸出金利を決めており、現在は期間5年で年6%超とされる。これが社債だと、年2~3%で調達できる。低金利の日本円で調達して人民元に替えて送金することもできるが、手数料や為替リスクを考慮すれば、人民元で調達するほうが有利という。
オフショア市場で発行すれば、基本的に中国政府の許可もいらない。
一方、人民元は切り上げ期待が高く、長期的には「上昇する」とみられる。そのため、元建ての金融商品を保有したい投資家は少なくない。人民元預金が人気だが、他の元建て金融商品が増えれば、「買い手」である投資家も運用商品の多様化、分散化が図れる。
「買い手」のニーズも旺盛なはずで、「中国に進出する欧米企業をはじめ、もっと多くの起債があってもいいと思う」と、前出の枝川次郎氏はいう。日本企業でも発行が増えそうな気配だ。