映画の撮影や家庭用テレビの生産で先行してきた3D(三次元)だが、徐々に「関連商品」が増えてきた。デジタルカメラやスマートフォン(多機能携帯電話)、携帯ゲーム機にも3Dが取り入れられ、話題となっている。
コンテンツでも、テレビ番組に加えて最近では「3Dコマーシャル」が制作され始めた。2011年は、3Dが本格的に普及する1年になるだろうか。
デジタルサイネージでも広告用動画を流す
任天堂が2011年2月26日に発売した携帯ゲーム機「ニンテンドー3DS」は、裸眼で3D画像を楽しめる。発売当日、販売店には開店前から行列ができ、初回で40万台が出荷された。
2010年は3Dテレビの開発が相次いだが、「3DS」のようにテレビ以外の電化製品にも3D化の波が押し寄せている。例えばデジタルカメラやスマートフォン、ムービーカメラは3Dの液晶画面や撮影機能を付けた商品が見られるようになった。宣伝用媒体として期待されているデジタルサイネージ(電子看板)でも、3Dの広告画像や動画を流すものが開発された。
映像コンテンツも徐々に増えている。3Dの映画やテレビ番組だけでなく、ミュージシャンがプロモーションビデオ(PV)に利用する動きもある。歌手の坂本冬美さんは2010年9月に発売した曲「ずっとあなたが好きでした」のPVに3Dを採用、劇場で流して関心を集めた。
視聴者の間では、3D映像はおおむね好評だ。調査会社マクロミルが2010年5月に実施したアンケート調査によると、3D映画を鑑賞した人のうち76%が満足と回答した。映画やスポーツ、風景を映したドキュメンタリーなどの人気が高い。視聴に必要な専用メガネをつけるもののほか、最近では裸眼で見られる機器も開発されている。2011年以降3Dテレビを買い求める人が一気に増える可能性は高い。