渡部陽一「スロー口調」は演技? 「遅くしゃべれと言われているはず」

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   早口の芸人たちを尻目に、独特のスローテンポで笑いを取る。そんなキャラでブレークした戦場カメラマン渡部陽一さん(38)が、過去の映像で普通にしゃべっていると話題になっている。

「本日2004年3月18日午前2時です。アンマン出発しました。これからバグダッドに向かいます…」

イラクでのリポート時は「普通の口調」

   渡部陽一さんが、お馴染みのベストとベレー帽姿で、車の中から弁舌滑らかにリポートする。そこには、あのスロー口調はない。これは、自衛隊イラク派遣時の様子を報じたニュース番組の一部だ。

   ネット上で、この映像などが紹介されると、スロー口調は演技で作っているのではないかとの声も出た。ユーチューブの動画は、70万回ほども再生されるほどの注目度だ。

   所属事務所Be.Brave Groupのマネージャーは、取材に対し、スロー口調がテレビ向けであることを否定。「普段からああいう感じです。そんなに意識していません。イラク派遣時のリポートについては、中継時間もあって現場の対応でそうなったということです」と説明した。

   ジャーナリストの常岡浩介さんは、十数年来の友人だという渡部さんについて、こう語る。

「昔から変わっていなくて、『しゃべり方が面白い渡部くん』と人気者でした。どんな場面でも彼のペースで、非常に感動的に礼儀正しくしゃべるんですよ。みんなが盛り上がっているときでも、そうでしたね」

   ただ、テレビでのスロー口調は、少し誇張した様子がうかがえるという。

「きっと、事務所から『もっと遅くしゃべれ』と言われているんだろうと思いますよ」

   つまり、若干演技も入っているのではないかということだ。

   日常生活では、口調が場にそぐわないこともあり、苦労もしているようだ。

戦場カメラマンとしてはジレンマ

   女性誌の記事では、家族の結婚式前に親族の顔合わせがあったとき、父親から何も言うなと口止めされたと報じられた。常岡さんも、「お父さんが『お前はしゃべり方が変だ』と一緒に連れて行ってもらえないこともあったと聞いています」と言う。

   渡部陽一さんのスロー口調について、常岡浩介さんは、マイペースな性格であることが原因ではないかとみる。

   戦場ジャーナリストの山路徹さんとタレントの麻木久仁子さんの不倫については、常岡さんや友人たちは、2010年12月に話題になる前から、ある程度知っていた。ところが、渡部さんは、常岡さんにこう漏らしたというのだ。

「初耳です」

   この発言について、常岡さんは、「『ウソだろ』と言いましたが、マイペースなのでありえるなと思いました」と振り返る。

   普段から比較的スローなだけに、渡部さんは、焦ることがあると口調が普通の速さになるという。さすがに、戦場にあるホテルの1階で爆発があったときは、ドアが開けられないことを普通の口調で叫んでいたそうだ。

   スロー口調は、タレントとしての武器ではある。が、それが注目されることに戦場カメラマンとしてのジレンマも感じているという。

   アフガニスタンで5か月も拘束された常岡さんが、10年9月に解放されてメールで無事を喜び合ったときのことだ。常岡さんは、渡部さんがテレビでもてはやされていることに驚いたが、渡部さんは、こう打ち明けた。

「最近、自分でもよく分からなくて…」

   戦場カメラマンとしてのプライドがあり、お笑いでブレークしたことを喜ぶべきか悩んでいたというのだ。常岡さんは、「戸惑うところが彼らしいと思いました」。

   もっとも、「戦場カメラマン」だからこそ受けている面もあるわけで、タレント活動との両立に今後も頭を悩ませそうだ。渡部さん自身は、近く戦場復帰することを明らかにしている。

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