韓国の人気女優、チャン・ジャヨンさんが自殺してから2年。チャンさん自ら死に際して「所属事務所から性接待を強要された」と遺書に残し、韓国社会を揺るがした。そのチャンさんの手紙50通が新たに見つかったという。
そこには改めて、無理やり性接待をさせられたという苦しい胸のうちが書かれ、かかわった人に向けて「復讐してやる」と恨みの言葉がつづられていた。一度は幕引きとなった「事件」だが、警察が再捜査に踏み切る可能性が出てきた。
「私に接待させた男たちは悪魔だ」
故チャン・ジャヨンさんが生前、知人に送った50通、230枚に上る手紙を入手したのは、韓国のテレビ局SBSだ。2009年3月7日に自殺したチャンさんは、その遺書に「所属事務所から酒の席での性的な接待を強制された」と衝撃の告白をしていた。今回見つかった手紙はそれとは別で、2005年から死の直前までのものだという。SBSの「8ニュース」が伝えたところによると、手紙には「性接待から抜け出せない」と苦しみ悩むチャンさんの様子が書かれており、
「親の祭事のときにも接待をさせられた」
「私に接待させた男たちは悪魔だ」
「必ず復讐してほしい」
と、怒りと憎しみで埋め尽くされていた。日本テレビの情報番組「スッキリ!!」も11年3月8日の放送でこのニュースを取り上げ、韓国のスポーツ記者が、チャンさんが所属していた事務所を取材した内容を伝えた。その建物は、オフィスにもかかわらず1階にはワインバー、3階にはパーティールームやシャワー室、ベッドまであり、企業の役員が来てしばしば宴会を開いていたという。
チャンさんが亡くなった後、韓国の警察はチャンさんの所属事務所の元代表を逮捕した。事務所で開いたパーティーで元代表がチャンさんを殴った容疑で、元代表もこれについては認めたが、性接待については一切を否定。2010年11月に暴行の罪で有罪判決が出たものの、性接待の真相は暴かれないままとなってしまった。今回の手紙の発見は、この一件を再び世に出したものとして注目されている。